未完成トリコモナス
随想録
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< May 2012 >>
RECOMMEND
芸は身を助く オッパイパブ「ナースの夜市」のショウタイム
category: - | author: gie-fujita
 

2012年5月12日(日)

 

百芸は一芸に如かずという。

 

何をやってもだいたいが不器用な私にも

これだけはという一芸がある。

ほぼ完璧な盲牌(もうぱい)

麻雀のパイを、目をつぶって指の感触だけで136枚ほとんど言いあてることのできる芸。

日頃、オッパイよりマーパイが好きというぐらい麻雀にいそしんできた結果、

自然に身についたあまり自慢できない特技。

である。

 

何しろ26才の時、

ピンクフロイドを日本に呼んだプロモーター「ユニバーサル」横山社長の義弟高尾氏に手ほどきしてもらって以来30余年、

読書より麻雀に費やした時間の方が圧倒的に多い。

へたすると睡眠時間より多いかもしれぬ。

中国では亡国の遊戯として禁止されたこともある麻雀。

そう云えばもう一ヶ月あまり、

マーパイをにぎっていない。

 

麻雀への恋情を激しく濡らしつづけて、もう限界かなと思った朝、

田舎の警察に出頭した。

コンビニで万引したごぼ天があまりにうますぎたのが理由であった。

対応した署員は

「また来たの。今度は何?」

とにべもない。

そういう西堀さんには一度がっかりしてとても感心したことがある。

この際、

出頭した理由など、どうでもよかった。

西堀さんにただ会いたかった。

 

万引のことは無視され、

「今晩ヒマだったら付き合ってくれんか」

と云われて、

勿論何の問題もない私は、

西堀さんの運転する車である所につれてゆかれた。

「ここはどこですか?」

「“扇の的”の屋島だよ。

 那須与一の話、知っとるでしょ。」

怪しく輝くネオン看板の店「ナースの夜市」に入ると、

白衣の天使ナース姿のオッパイ美女がワンサカ揃って

「いらっしゃい」。

 

                       (つづく)

comments(0) | trackbacks(0) |PAGE TOP↑ -
「マムシの赤ちゃん こんにちわ  死国山脈 白昼の暗夜行」
category: - | author: gie-fujita
 

2012年5月8日(火)

 

絶滅の神獣 ニホンオオカミ命脈の雄叫びが夜のシジマを引き裂いて四国山脈大ボケ(歩危)小ボケ(歩危)渓谷に谺(コダマ)する。

某月某日、暁の出発。

アンドレ・ブルトンの書斎をまるごと担いで石鎚(いしづち)山頂を目指す。

 

憎しみの河に溺れ、蔑(さげす)みの森に迷い、妬みケ原、侮(あなど)り権現に手を合わす。

 

昼下がりの仮眠愚アウト、

マムシの赤ちゃん こんにちは。

 

日本暗殺史を彩るキンピカのテロリストたちがビンビン羅殿の血涙たぎらせ

世田谷区深沢の銭屋敷を襲撃する日は近い。

憂憤のガトリング速射砲弾 雨あられを降らすはイノセントなテロリスト6人。

来島恒喜、井上日召、相沢三郎、菱沼五郎、山口二矢、そして

「棺一基」の大道寺将司。

テロリストの魅力の真髄はその顔にある。

政治家も然り。

 

東北は岩手水沢出身の政治家二人。

後藤新平・小沢一郎。

その差は歴然!

後藤は水沢の誇りであり、

小沢は水沢の恥である。

小沢を支持する小林信彦は最低のコラムニストだ!!

その分身、中原弓彦、ウィリアム・C・フラナガンの名を汚した小林の罪は重い。

シトシトピッチャン シトピッチャン

神獣ニホンオオカミが竜巻無用之介に化身してついに吠えた。

 

「マグニチュード9を骨抜きにするビッグ・トルネードの猛威」

「東京スカイツリーを巻き砕いてコッパ微塵!!

世界をゆるがすニュースをブラジル・サントス珈琲波止場で聴く。

 

明日はいよいよサンパウロ、ケマーダ島への船出だ。

世界一の猛毒を持つ蛇 ゴールデンランスヘッドの棲むケマーダ島。

一万一千の毒針をアポリネールの力を借りて

誰ぞ喰らわんか。

 

まだまだ続く死国巡礼  ひとり旅。

comments(0) | trackbacks(0) |PAGE TOP↑ -
街は生きている 
category: - | author: gie-fujita
 

2012年4月13日(金)

 

街は生きている

 

     人間に、それぞれ顔があるように

     街にも、それぞれ顔がある

     人間の顔に色があって刻々と変わるように

     街の顔にも色があって変化を刻む

     人は何かを求めて街に集まり

     街は何かを与えて人を迎え、そして、はき出す

 

川は流れて どこどこ行くの 人も流れて どこどこ行くの

 

     人は街を流れる川である

     2012年4月13日 金曜日 夕刻

     四国 松山 二番町

     街が私を待っている  二番町が待っている

     ああ!二番町 お今晩わ の二番町

     無念夢想が 今夜の構え

 

     さあ 繰り出そう!

 

     ウオッチング is ウオーキング

 

     SEEING is BELIEVING  (百聞は一見に如かず)

 

                   四国 松山 道後温泉にて

 

P.S. 

目標のない人生をさらに極めようと漂泊してます。

こんな生き方しかできない自分はなんとみじめで

悲しい生きモノなんでしょうか?

あんまりにも淋しいのでTELしてしまった。

電話の向こうから返ってきたのは

「なんとまあ ゼイタクな」

とのお言葉。

その言葉の主は目黒川春秋さん。

今、

「ネーミング」と「120キロ」という小説を

並行して書いてます。

comments(1) | trackbacks(0) |PAGE TOP↑ -
ニルバーナ(悟り)への厳しい道  〜M・金子氏の引越〜
category: - | author: gie-fujita
 

2012年3月29日(木)

 

比叡山の大阿闍梨は険しい道を一日84キロ歩いて求道する。

千日回峯行を2回もやった高僧ですら

涅槃菩提にはまだまだと

ひたすらかしこまるばかりだ。

私は私のニルバーナの道をゆく。

 

飲まず喰わずで沼津までの世界一過酷な行脚を始めようと決めた矢先に、

M・金子から

「今から引越、すぐ来てくれ」

との電話が入った。

 

M・金子の引越!!

生きていてこれほどワクワクドキドキするものもない。

なにしろM・金子の引越を手伝うのは命がけなのだから。

 

一回目は今から20年ほど前、

私も不惑の年を越え、いよいよ迷っていた。

当時M・金子はマルコメ味噌のイメージボーイのように丸坊主で可愛かった。

方南通り、清水橋交差点近くにある家賃2万のボロアパートの扉を開けた瞬間、

問答無用の光景と異臭で脳震盪を起こしそうになった。

季節は夏の真っ盛り、

噴きでる汗をぬぐいぬぐい手伝ったあの時の引越の異常な快感が蘇ってきた。

 

足の踏む場所もないどころか

体を置く場所もないほどの大量の荷物は天井をこするほどうず高かった。

どう見ても態の悪い荷物は文字どうりゴミそのもので

6年間一度も捨てたことがないという。

たまりにたまったゴミの山。

悪臭とゴミぼこりに耐え、

まずは一献と交したビールの味に目をむいた。

賞味期限をみると15年前。

つまみに食わされた甘納豆、

かむ前に吐きだした。

その正体は

部屋に飼っているクマネズミの糞であった。

 

ゴミクズ部屋の住人は

「どうですか、

 腐ったビールにつまみ糞、

 これが僕のニルバーナへの道です。」

 

あれから金子阿闍梨の引越を毎回手伝った。

今回が丁度5回目となる。

さすが一人では心細い。

ビール大好き美少年、

ジン君を呼ぶことにした。

開口一番、神は云った。

 

「腐ったビール、上等じゃねえか。」

comments(1) | trackbacks(0) |PAGE TOP↑ -
「春眠アカツキを覚えず」スゴイ映画をみた!!
category: - | author: gie-fujita
 

2012年3月21日(水)

 

いま東京では二頭の馬がスクリーンでいなないている。

一頭はスピルバーグの「戦火の馬」、

もう一頭はタル・ベーラの「ニーチェの馬」。

ここ数日、夜毎、夢の中で馬の泣き声にうなされていた。

そろそろ限界?

潮時かなと観念して、痛風の足を引きずって映画館に向った。

経済的事情で両方の馬の相手は出来ない。

注意してないといつの間にか上映が終わって消えてしまいそうな「ニーチェの馬」をみることにした。

 

これが傑作中の傑作でびっくりした!!

秀れた映画が真に輝く作品になるには

その映画を上映するにふさわしい映画館が求められ、

さらに云えば配給会社のセンスと覚悟が要る。

上映館は渋谷仁丹ビル裏にあるイメージ・フォーラム。

配給会社はビターズ・エンド。

 

開始30分前に劇場に着き、

一番いい席に座って神経を集中しだすと

何故か本篇が始まる前に眠くなった。

今はそういう季節なのだと遠のいてゆく意識の中で素直に納得して

心地よい春眠に身をまかせた。

 

眠りから目覚めると予告篇が終わって

丁度2回目の本篇「ニーチェの馬」が始まるところであった。

各回完全入替制なのに

1回目の上映が終って2回目が始まってもなお同じ席に居続けている理由は何だろう?

あれこれ考えながら2時間34分、

台詞の極端に少ない、

父と娘と馬のモノクロ映画を思いっきり楽しんだ。

じゃがいもだけの質素な朝食のシーンが何度かカメラのアングルを違えてくり返される。

絶品である。

 

一体全体

どれだけの映画をみてきたのだろうか?

数えたことはないが数千本はくだるまい。

面白いと思ったり、泣いたりした映画を挙げれば

あれもこれもとキリがなくなるが、

「ニーチェの馬」をみてしまった後では

どれもこれも影が薄くなってしまう。

それほどに「ニーチェの馬」の力はスゴイのだ。

 

それにしても一回分の料金で2回みれなかったら、

それも分らなかったに違いない。

 

帰りしな、

スタッフに小さな声で疑問をストレートに言うと

「上映が終っても眠っているお客さんがいたら、

 起こさないでそのまま寝かせておくようにと配給会社から言われております。」

との答えが返ってきた。

本当なのだろうか?

ここは配給会社に確認すべきだろう。

電話に出たビターズ・エンドの女性は

「イメージ・フォーラムさん、そんなこと言ってましたか」

と笑った。

 

世の中には本当のことをつまびらかにしない方がいいということもあるようなので

これ以上の詮索はせずに放っておくことにした。

comments(1) | trackbacks(0) |PAGE TOP↑ -
「さらばアフリカ ロアロア原虫」 
category: - | author: gie-fujita
 

2012年2月20日(月)

 

週刊読書人

明石 編集長 机下

 

あれから

と云いましても、

今年の、今月の、6日のことがもうずうっと昔のことのように思えてならないこの今昔感

なんとかしてください

と貴兄にすがるのもお門違いというものでしょうか。

 

「恋の罪」の女優 冨樫真が所属する事務所の岡田社長に設けてもらった楽しい食と語らいの場。

その時、

「嘘か真か、安宅の関」

というタイトルで私だけが知っている冨樫真についてトリコモナスしようと思っていた矢先、

誰が運んだかアフリカ渡来のロアロア原虫に眼をやられ、

失明寸前の災難に遭ってしまい

只でさえ遅筆の原稿は今に及んでも一枚たりともめくれてはおりません。

 

その生存本能を賭けて私の眼球に卵を産みつけようとするロアロア原虫の成虫であるフィラリア夫婦との攻防戦は

何の準備もなく2月11日、

幕が切って落とされました。

 

その日、

横浜美術館へ行き

絶世の美人画家 松井冬子を間近に視るという眼福作戦の効芳しからず・・・・・。

というのも

10年前の明鏡止水の如き美女が

フリークスのような貌に変わっていたのです。

これなど、

画業一途にのめり込めば当然の報い、

醜物を描くというテーマとの訣別宣言、

今からでも遅くはありません。

 

2月15日 国会図書館長 長尾真の口説を聴き、

2月17日 千夜千冊・松岡正剛の御真影をトイレで感受するも、

治癒の兆し一向に見えず、

それならばと最后の手段に訴えたのでした。

すなわち

東京で一番きたない公衆便所の便器の中へ顔を突っ込むと、

どうでしょう、

アフリカからやってきた病原菌は、

故郷を得たとばかり喜び勇んで全匹、

私の眼球にグッドバイの最后っぺをかまして、

東京ウオーターへまぎれ込んだのです。

 

ギー藤田 拝

comments(1) | trackbacks(0) |PAGE TOP↑ -
「ビアンカの匂い」   ――松岡正剛との出会い――
category: - | author: gie-fujita
 

2012年2月17日(金)

 

シンポジウムの受付は静かだった。

特別フォーラム「日本と東アジアの未来を考える」

という会場に入って満席の盛況を目にして

呉夫はあることに気を巡らす。

受付と会場は

小岩と大塚の関係によく似ているな

と。

 

小岩には呉夫が最近覚えた珈琲店「ビアンカ」の孤独な味があり

そこで虚妄が始まり、

流れ流れて大きく弾む頃には所も変わり、

大塚のラブホテル「ビアンカ」で大勢の女たちと悦楽の刻を結ぶ、

そのような関係にとてもよく気配が似ているな

と。

 

悦楽の刻と云っても

実際の相手は一人もいない。

ラブホテルの原則は

一人の男の為に貸す部屋など無いことになっている。

 

「見えませんか?」

呉夫は受付嬢に云う。

「今日もまた好きなお人たちに囲まれて結構なことですね。」

受付嬢は呉夫に寄り添う女の複影を感じてお約束事のようにそう云った。

 

その日、

呉夫は203人の女を連れて部屋に入っていったような気がした。

 

目黒川さんが会場に姿を現した時、

呉夫が

「今日は隣の席は遠慮しときます。」

と云うと

目黒川さんは理由を訊かず、

笑って遠く離れた席に座ったのだった。

 

ビアンカのしみがたっぷりついた体の匂いはとても不快であると付会して

松岡正剛の登場を雪隠で待つのであった。

 

         国際フォーラム 7F トイレにて

comments(0) | trackbacks(0) |PAGE TOP↑ -
「愛の本質。 迷い道くねくね」  ――「芸者東京」訪問記―― 
category: - | author: gie-fujita
 

2012年1月13日(金)

 

乾燥日が続いている。

カンソウと言えば幕末の鍋島藩主、閑叟(かんそう)。

アームストロング砲が空腹万才の祝砲をぶっ放す。

空腹もいいがおしめりが欲しい

などと思っていると心友・出馬康成から電話が入った。

東大出のモバゲー会社「芸者東京」社長 田中泰生のところへ一緒に行かないか

との誘いであった。

出馬をオジキと呼ぶ泰生はかつて俺という存在を最も容赦なく言葉でえぐった若者であり、

それ故、

泰生に「死ね」といわれれば殉ずる気持は今も変わらない。

 

あれから何年たったのだろう。

三四郎池で愛の本質について語り合った日を懐かしむ。

久し振りの再会を前にまずは腹ごしらえだ。

牛どん¥240.所持金ぴったり丁度いい。

「進化する味」の宣伝文句に釣られてか

松屋は混んでいた。

席に座ってチケットを渡す。

すると隣の客が席を立った。

カウンターの上には白菜の漬けものがまったく手をつけられず

そっくり小鉢の中に残っていた。

漬けもの食う人食わぬ人、

世の中さまざまだ。

 

「名もなく貧しく美しく」の松山善三は漬けものが大嫌いであった。

大女優高峰秀子は松山のプロポーズを受けて結婚するが

夫の漬けもの嫌いをあとで知り、

大変困ったという。

デコちゃん、漬けものは嫌いというよりむしろ好きな方であった。

 

名もなく貧しく醜い私はというと

漬けもの大好き、

特に白菜の漬けものには目がない。

私は隣の客が食べ残したお漬けものを横目でじっと凝視、

よだれを垂らしてすきをうかがった。

大勢の客をさばく二人の店員は大いそがし。

片付ける前に片付ける。

一度ハシを着ければ二度も三度も平気だった。

 

はたして味の進化はあったのかよくわからないまま、

店を出るとさっき隣りにいた客が手をひらいてたちふさがった。

「漬けもの代、50円。」

と云われ、

私はあっけにとられた。

払わなければ無銭飲食で警察につき出すとまで云われ、

その男が無性に好きになったが

生憎金もなければ時間もない。

夜8時半、

出馬の待つ本郷三丁目へ、

まとわりつく男を振りきって急いだ。

 

「芸者東京」はフットサルができるほど広かった。

社内モードはちろりん村かホビット村か、

ありらこちらにケガレなき若者たちがたむろして

大ヒットゲーム「おみせやさん」の次の着想に花を咲かせていた。

堅苦しい朝礼も社是もなさそうな和やかな雰囲気にすっかりくつろいでいると一人の若い女が近づいてきて

「私の悩みを聞いてくれますか」。

早穂(さほ)という人間加湿器のような肌のみずみずしいその女を前にして、

思わず「俺の悩みも訊いてくれ。」

と私は叫んだ。

 

話が佳境に入ると思ったのか

泰生社長は二人の社員を呼んだ。

一人は口もとが井上ひさしそっくりの小橋ダイスケ。

もう一人は南方熊楠のような眼をした森テツアキ。

それから何をしゃべって、何を聞いたか、

まったく覚えていない。

何故だろうか?

 

またしても昔の女との佳き日々を想い出し、

迷い道くねくねと「神々の黄昏」にうっとり耳を傾けていた。

 

泰生よ、

早穂よ、

ダイスケよ、

テツアキよ、

それに「地獄の黙示録」について熱く語っていた若者たちよ、

ありがとう!!

 

折角もらった名刺がない。

置き忘れたのかも

と別れ際出馬に告げると心友は

にっこり笑って闇の中の光となった。

comments(0) | trackbacks(0) |PAGE TOP↑ -
「カンシャク玉の鳴る方へ  ウラジオストックから来た女」
category: - | author: gie-fujita
 

2012年1月9日(月)

 

望月敏子様

 

1月4日のことです。

仕事始めとは言っても仕事というものを不幸の代名詞と思っている僕は、

年始の挨拶まわりをする相手が誰もいないことをそこそこ誇らしく、

でもちょっぴり淋しく思いながら、

ぶらり街にくり出すことにしました。

 

明治通りを池袋から新宿へ向ってゆっくり歩いて小一時間、

新田裏の交差点に差しかかった時、

何かが破裂する音を耳にしました。

何の音だろう、

その音はどこから来たのだろうか

などと考えているうちに急に眠くなってきて、

体からどんどんエネルギーが抜けていくような気分。

 

どの位の時間が経ったのでしょうか、

目の前に幅広で高価そうな受付カウンター、

そのすぐ奥に座って笑顔でかしづく受付嬢のすべすべとまばゆく輝いている白い肌にすっかり眠気は飛んでゆきました。

 

「あのウラジロの件ですね。

 今日、あなたで13人目です。」

と受付嬢に言われて、

何のことかよく分からず、

正月そうそう今年も面白くなりそうだと一人ほくそ笑んだのでした。

 

事の真相はこうです。

門松やしめ飾りなどに使うお正月の飾りものには欠かせない「裏白」(リハクではなくウラジロと読みますね)。

シダの葉のことですが、

シダの葉は裏返すと銀白で、

古い年のいやな事は皆んな御破算にして新しい年を迎えるために白はとても重要な色なのだそうです。

 

受付嬢いわく、

会社の入口にある門松の飾り付けをいつもの業者に頼んだところ

作業人としてロジェストヴェンスキーという名のロシア人がやってきて手際よくこなしてもらって、

いざ請求書を見ると例年より200円安くなっていたそうです。

 

年が明けて、

仕事始めの1月4日、

朝から通りがかりの老人がつぎつぎにやってきて

「裏白の色がおかしい」

と同じ忠告をするので

その度に忠告者と一緒に外に出て「確かに」と

何度も同じ言葉を繰り返したのだそうです。

 

受付嬢は僕の年格好をみて

まだ何も言っていないのに13人目のクレーマーだと思ったのです。

帰りがけにチェックすると「確かに」シダの葉は表も裏も緑でした。

これではウラジロになりませんね。

 

ウラジロならぬウラもオモテもミドリのシダの葉を門松に飾った会社の名は日清食品。

飾り付けをやったロシア人の名前は

そういえばバルチック艦隊の司令長官と同じですね。

 

その後、

歌舞伎町のラブホ街をうろついていると

スコブル付きのロシア美人に声をかけられ、

甘露なひとときを過ごすことになるのですが

そのナターシャというロシア女の体を裏返すと

銀白色の鱗光に目を奪われ

耳は得体の知れぬ爆発音につん裂かれるのでした。

 

P.S. 2月7日、巣飼ママ優の紀尾井町ホール

   目黒川さんは「喜んで」と

   居酒屋の店員のような返事をしておりました。

comments(0) | trackbacks(0) |PAGE TOP↑ -
「愛国少女」をどうぞよろしく 
category: - | author: gie-fujita
 

2012年1月8日(日)

 

高樹一生様

 

あらためて本年もよろしくお願い申し上げます。

 

却説、

小泉監督の次回作の件ですが、

昨日口頭で提案させて戴いた前田慶次郎物語、

果してどうしたものかと

一晩寝て起きてランチして、

はたと考えております。

 

たとえ「明日への遺言」から4年半経ったとは云え、

それをブランクと云うのは何か軽々しいような気がしてなりません。

企画が通りやすい、出資者を募りやすい、観客動員も充分に見込める

という理由だけで小泉監督が動くようにはとても思えないからです。

 

「花の慶次」は三池崇さんあたりに任せておけばいいような気もしております。

そうは云っても前田慶次郎という戦国武将の魅力はなかなかに手放し難いものがあります。

「人生の大義」という観点から云えば戦国最大のヒーローは

立花将監(しょうげん)宗茂を除けば前田慶次郎ということになるでしょう。

 

僕の個人的嗜好で述ぶれば、

岡田資中将のあとは本間雅晴中将をやってほしかったと思います。

あのバターン死の行進を指揮した罪で銃殺刑になった本間中将のことは角田房子の「いっさい、夢にござ候」という本で知りました。

さらに進めれば

A級戦犯広田弘毅となります。

広田弘毅は城山三郎の「落日燃ゆ」を読んで

スゴイ人間がいるものだと感動したことを思い出します。

 

自分の言動に自らの命を賭して責任を持つというリーダーがいない我が国の今を憂えるとき、

尚更に強く思う次第であります。

 

今、僕はユゴーの「レ・ミゼラブル」とプルーストの「失われた時を求めて」をごちゃごちゃにして読んでおります。

そこでふと思ったことですが

江戸時代の陰険な悪人鳥居耀蔵を主人公にした映画なぞは如何でしょうか?

 

司馬さんが世に出るにあたって最も力になった海音寺潮五郎に「悪人列伝」という本がありまして

その中でも極悪人の確信犯サイコパスとして散々に扱われている人です。

幕府の目付人、鳥居耀蔵(ようぞう)は大塩平八郎の罪状書をでっちあげたり、

高野長英や渡辺崋山を「蛮社の獄」で自殺に追い込んだり、

海音寺さんでなくても怨まれても当然といった悪人なのですが、

この人を通して「正義」とは何か

を探るのも面白いかもしれません。

 

今、僕は

「愛国少女“憂憤”」

というシナリオを書いています。

 

ある朝まだき、もやの中より白装束の少年が姿をあらわす。

決然としたまなじりの見つめる行方にかすむ皇居。

清廉なる挙措はあたりの静寂に包まれてすがしく、

弓と刀を抱えた腕が躍動する。

 

宙を舞う白木の箱を射抜く一本の矢。

箱は割れ、

生首が地に転がり落ちる。

生首にかぶさる少年。

おびただしい鮮血が生首を染めてゆく。

少年のまっ赤な血を吸って赫尖(かくやく)と昇る日輪。

 

こんな書き出しで始まる「憂憤」の主人公は17才の少女。

その恋人が父を殺して皇居前で自決する。

 

少女の父は日本正義の護衛府にして大聖堂、その検察庁のトップ、検事総長。

少年の自決に呼応するかのように少女は靖国神社を燃やします。

この国を愛するあまり義憤を以ってたちあがった少年と少女。

 

深沢七郎の二の舞になりそうですね?

 

しかし、

今、

映画に求められているのは涙でも笑いでもないような気がしてならないのです。

究極のエンターテインメント、

それは価値観の転覆!!

今年も世界転覆社、

たった一人でもやります!!

 

という訳で、

今年もよろしくです。

 

                    2012年1月8日

                         ギー藤田
comments(1) | trackbacks(0) |PAGE TOP↑ -
new old
SPONSORED LINKS
SELECTED ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENTS
RECENT TRACKBACK
LINKS
PROFILE
OTHERS
SEARCH